MetaMaskを復元したのに残高が出ない場合は、フレーズを何度も入力し直す前に、元と同じアドレス、同じネットワーク、同じ資産を見ているかを確認します。復元が完了した表示だけでは、探しているアカウントまで表示されたとは限りません。旧端末が残っているなら、比較が終わるまで初期化やアプリ削除をしないでください。
このページは、MetaMaskを開くことはできるものの、以前の残高やアカウントが見えない方向けです。そもそもウォレットの種類が不明な場合は、ウォレット種類別の復元先ガイドで、元の製品と作成方式から確認します。
最初に、旧端末と新端末の公開情報を並べる
旧端末で資産を確認できるなら、そのアカウントの公開アドレス、ネットワーク名、資産名を控えます。アカウントに付けた名前やアイコンは、同じアカウントかどうかを判断する基準になりません。新端末の「Account 1」と旧端末の「メイン」が同じかは、公開アドレスで比べてください。
旧端末が使えない場合は、取引所の出金履歴や過去の受取記録から、送付先アドレスとネットワークを探します。出金完了メールに金額だけが書かれていても、どのアドレスか分からなければ比較はまだできません。比較できない項目は空欄にせず「不明」と記録すると、探索すべき資料が見えます。
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 公開アドレス | 旧端末や出金記録と、現在表示中のアカウントが一致するか |
| ネットワーク | 当時入金したチェーンと、現在選択中のネットワークが同じか |
| 資産 | 同名トークンを混同せず、公式情報と過去の入金記録を照合したか |
| 作成方式 | SRP、外部からの取り込み、ハードウェア接続等のどれか |
アドレスが違うなら、残高表示の設定より先に確認する
元と違うアドレスを見ている場合、トークンを表示させても元の資産は現れません。「新しいウォレットを作成」していないか、別のSecret Recovery Phrase(SRP)で復元していないか、以前の追加アカウントをまだ表示していないかを確認します。順番や綴りが分からないフレーズを、外部の検証サイトへ入力しないでください。
MetaMask公式は、同じSRPから作成した追加アカウントが自動表示されない場合に、作成順に追加して元のアカウントを確認する方法を案内しています。手動で付けたアカウント名と、作成された順序は別です。アカウントを一つ確認するたびに、探している公開アドレスと照合してください。
復元後に見つからないアカウントのMetaMask公式案内では、作成方式やバックアップ設定によって自動復元の扱いが異なると説明しています。何個追加すればよいかを憶測で決めず、旧端末の一覧や過去の記録を手掛かりに進めます。
別途インポートしたアカウントを、SRPの復元だけで戻せるとは限らない
以前、秘密鍵やJSONファイルから取り込んだアカウント、別のSRPに属するアカウント、接続していたハードウェアウォレットが混在していた場合は、区別が必要です。SRPだけで復元したときに、元の画面に並んでいたすべてのアカウントが自動的に戻るとは限りません。
ただし、現在のMetaMaskにはGoogle・Apple・Telegramのアカウントを使う作成方式もあり、公式はその方式とSRPで復元する方式を分けています。古い記事の「必ず手動で再追加」という説明を、自分の方式へ一律に当てはめないでください。以前の作成方法が不明なら、旧端末の表示や登録時の記録を確認し、現在の公式手順で該当する方式を選びます。
ハードウェアウォレットを使っていた場合も、機器内の秘密情報を通常のフォームへ転記して再現しようとせず、利用機器の公式案内を確認します。SRP方式と別取り込み方式の違いを整理しないままリセットすると、現在アクセスできている別アカウントまで見失う可能性があります。
アドレスが一致したら、ネットワークを照合する
同じ公開アドレスが表示されても、選択しているネットワークが違えば、見える資産や履歴は異なります。取引所の出金履歴にあるネットワーク名、当時利用したサービス、過去の取引IDを確認し、現在のMetaMaskが同じチェーンを表示しているかを比べます。
「ETHという名前がある」「同じトークン名が見える」だけでは不十分です。同じ名称や記号の資産が異なるネットワークに存在することがあります。表示がないからといって、別ネットワークへ追加送金して確かめる必要はありません。まず、過去の取引がどのチェーン上にあるかを公開記録で確認します。
公開記録で、残高があるかと表示されないかを分ける
MetaMaskのアカウント画面から「View on explorer」などの案内へ進むと、選択中のネットワークに対応するブロックエクスプローラーを確認できます。公開アドレスから履歴を調べるMetaMask公式手順では、ネットワークごとに確認先が違うことも説明されています。
照会に使うのは公開アドレスです。SRP、秘密鍵、MetaMaskのパスワードを入力する操作ではありません。対象アドレスの残高と送受信履歴を見て、資産が確認できるなら表示の問題を調べます。見当たらなければ、照会したネットワークと元の送付先が正しいかを再確認します。
履歴に想定外の送金がある場合、単にトークン表示を追加しても、その送金をなかったことにはできません。日時、宛先、取引IDを記録し、画面の問題と区別してください。受取記録はあるが現在残高がない場合も、途中の取引を確認せず「復元で消えた」と結論付けないことが重要です。
公開残高はあるのに、MetaMaskに出ない場合
アドレスとネットワークが一致し、公開記録にも資産があるなら、トークンが自動検出されていない可能性があります。MetaMask公式のトークン表示案内で、対象ネットワークと資産を確認してください。表示の追加は資産を新たに受け取る操作ではなく、既にある資産を画面へ表示するための設定です。
同名の偽トークンを避けるため、トークンの識別情報は発行元の公式資料や確認済みの取引から照合します。知らない人から届いた「残高同期」「ウォレット認証」のリンクへ接続したり、表示を戻すための送金を求められたりしても、その案内だけで操作しないでください。表示問題の解決に、第三者へSRPを渡す必要はありません。
架空例:復元後はAccount 1だけ、旧端末には三つあった
架空の利用者が、SRPで新端末へ復元し、Account 1には残高がないとします。旧端末では三つのアカウントがあり、資産を持つアドレスは二番目でした。この場合は、まず同じSRPの追加アカウントか、別途インポートしたアカウントかを確認します。同じSRPからの二番目なら、公式の追加手順で公開アドレスを照合する方向になります。
一方、二番目が別の秘密鍵から取り込んだアカウントなら、同じ操作を繰り返しても目的のアドレスにはつながりません。必要な元資料が違うからです。これは切り分けを説明する架空例で、特定の利用者の復旧結果ではありません。残高が出たという結論より、どのアドレスを確認できたかを記録してください。
表示額だけが違う場合は、数量と評価額を分ける
資産の数量が同じで円やドルの表示だけが違うなら、アカウント紛失とは別の確認になります。比較した時刻、表示通貨、価格が取得されているかを記録し、まず公開記録とアプリのトークン数量を比べます。評価額の違いを埋めるために、別のフレーズで復元し直す必要はありません。
また、アプリの取引一覧に昔の履歴が出ないことと、チェーン上の履歴が消えたことは別です。対象アドレスとネットワークを確定させて公開記録を確認します。表示の修復でアカウントのリセットを検討する場合も、先に必要な元資料が揃っているか確認し、現在開けるデータを失う操作を急がないでください。
別の端末でTrust Walletも使っていた場合は、同じ単語列やアカウントだと決め付けず、製品ごとの資料を分けます。スマホの買い替え全体の確認には、Trust Walletの機種変更で旧端末から確認する項目も参考になります。製品を横断して、元の公開アドレスとバックアップの対応を残してください。
確認を終えたら、次に必要なものを明確にする
アドレスが違うなら作成方式と元資料、アドレスが同じでチェーンが違うならネットワーク、公開残高があってアプリにないなら表示設定を確認します。元資料が見つからない場合は、シードフレーズを失った場合の状況別確認に進み、旧端末や別バックアップが残っているかを整理します。
説明用のメモには、旧・新の公開アドレスの一致、ネットワーク、資産名、復元した方式、旧端末の状態を残します。「復元できた」と「目的のアカウントを表示できた」と「送金できる」は別の段階です。秘密情報は通常フォームやLINEに送らず、どの段階まで確認できたかを共有してください。
